こんにちは。今回はお待ちかね。小田様の技術の結晶である作品の紹介をします。
作品紹介の前に…小田様は弊社のお客様で過去に宮大工をされていた方です。そして、その技術を用いた木工作品を会社に持ってきてくださいました。
基本的にお宮っていうのは釘を用いない技法で建てられるそうです。この技法を組木と言います
最初は雛留め。こちらは2つの板をL字に組み合わせたものになります。和室にある置床の角なんかによく使われているようです。
どうやって組み合わせたか…これは2つの木を糊を使わずにはめ込むようにして組み合わせてあります。
これと
これ、この2つをはめ込むようにして組み立てられます。そしてこれが結構強力に引っ付くのです。摩擦で中々分解できません。
そしてこの雛留め。組み立てると2つの木の木目がきっちりと重なるように出来ているのです。こういった細かいところにも匠の技術が活かされている訳です。
お次はこちら。腰掛蟻。こちらも見た目は直方体の木でございますが…これも切り出した2つの木を組んで作られたものになります。
こちらは横に引っ張る力に強い技法です。木と木の継手としてよく用いられる技法だそうです。
最後は箱金輪。こちらは2つの木を組み合わせて真ん中に刺した棒で固定したもの。柱や梁の継手として用いられる技法だそうです
真ん中に刺さってる棒のおかげでめちゃくちゃ強固です。手ではとてもじゃないけど分解できません…でも不思議なことに真ん中の木の棒を抜くと簡単に分解が出来てしまいました。
分解した図がこちら、真ん中に彫ってある溝に木の棒が入るようになっています。なんで中身がこんなにシンプルなのにあんなに強いのか…理由はわかりません。ホントにびっくりしました
組木の利点1つ目は強度。何故かと言うと木と木を組み合わせることで揺れや衝撃を分散したり、釘やボルトなどで起こりうる緩みが発生しません
2つ目は木の長さを変えることが出来る事です木の端っこを加工して組み合わせれば強度を保ったまま長さ1メートルの木材を3メートルにだって出来ます。
3つ目。建物を分解して移動させる事が出来ます。木を組み立ててるだけなので、建物ごと引っ越しが出来ちゃいます。
4つ目。木が腐っても腐ったところだけを切って新しい木と入れ替えられます。つまり建物の修繕がやりやすい、そう言うことになります
今回紹介したのはほんの一部でございます。組木にはまだまだ素晴らしい技法がたくさんあります。そしてどれも熟練の技術の成せる技であります
そんな素晴らしい技術の一端を見せて下さった小田様に最大限の感謝の言葉を以って今回の記事を終了させていただきます
本当にありがとうございました。